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お茶の効用について

お茶の効用について(基礎編)

古来中国から渡来し、漢方薬として用いられた歴史を持つお茶は、口の中の衛生にも役立つことがわかっています。実際、お茶でうがいをするようにした子どもたちにむし歯が少なくなったという報告もありますし、口内炎などにも効果があることがわかっています。

お茶の科学的研究のきっかけ

古来中国から渡来したお茶は、嗜好飲料として日本人の生活と密接な関係にあります。当初、漢方薬として用いられた歴史も持っているのですが、残念ながら、お茶の生理活性に関する科学的な研究は、従来あまりなされてきませんでした。
 
しかし、厚生省から、いわゆる「機能性食品構想」(従来いわれてきた栄養成分の補給機能、「おいしさ」に代表される生体の感覚に訴える機能とは別に、生体調節機能に着目した食品の開発)が打ち出され、食品の二次機能がクローズアップされるようになりました。
そんなことが背景にあって、緑茶及び紅茶からその主成分であるカテキン(渋みのもと)やテアフラビン(紅茶独特の赤い色を出す色素)が分離・精製され、これらの生理活性に関する研究が相次いでなされるようになりました。

お茶の多彩な効能

その効能は多彩で、カフェインによる覚醒作用・利尿作用・強心作用やカテキンによる消炎作用・血圧上昇抑制作用・抗アレルギー作用・抗腫瘍作用・抗う歯(むし歯)作用・抗酸化作用などが次々明らかにされてきました。
しかし、残念ながら、私たちが取り組んでいる病原微生物に関する系統的な研究報告はありませんでした。
 
ちょうどそのころ、コレラ菌研究の最中に、お茶がコレラ菌の運動を瞬時に止め、菌の凝集を起こすことを、偶然私たちは発見することができました。
 
これを契機にして、私たちは、腸管感染症起因菌や呼吸器感染症起因菌、白癬菌などに抗菌・殺菌作用を示すこと、一部細菌が産生する毒度の作用を阻害すること、インフルエンザウィルスなどの感染性を阻止することを証明することができました。
 
また、MRSAに対する抗菌・殺菌作用があることもわかりました。
カテキンによって細菌の膜が破壊されるのですが、副作用もないし、耐性菌が発現する問題もないと考えられることから、臨床での応用が期待されます。
お茶でうがいすることを励行すれば、MRSA感染予防にも役立つのではないでしょうか。
 
実際、市販のうがい薬8種類と紅茶の効用を詳細に調べたところ、案に反して、市販のうがい薬にはインフルエンザの感染症を阻止する活性はほとんど見られず、紅茶に勝るものはひとつもなかったという、実験結果も得ています。

口の中の衛生にも役立つ

さて、口の中に生息している細菌に、マイコプラズマといものがあるのですが、それについてもお茶が顕著な殺菌作用を示すことがわかりました。
口の中を不潔にしていたり、誤嚥で菌が肺の中に入ったりすると肺炎にかかりやすくなる(胃の中に入れば、胃酸で殺菌されるのですが)という報告もあるので、お茶の効用について、あらためて注目したいと考えています。
 
ちなみに、緑茶のうち、カテキンの含有量が多いのは煎茶で約15%、番茶が約13%、玉露は10%です。
紅茶には、カテキンが約5%、テアフラビンなどが約4.5%、高分子化合物が約11%、計約20.5%含有量があることが報告されています。
 
しかし、同じ嗜好飲料であるコーヒーについて調べたところ、残念ながらごく弱い殺菌作用しか認められなかったので、「お茶がいいならコーヒーでも」とお考えにならないほうがよいでしょう。

抗ガン・発ガン抑制作用もある

それにしても、お寿司を食べた後に「上がり」を称してお茶を飲む習慣は、食中毒予防の観点から見ても実に理に適った行為で、先人の知恵の素晴らしさを痛感させられます。
最近では、抗ガン・発ガン抑制作用に関する効用も報告されていて、「お茶の国」静岡県のガン死亡率が全国平均より著しく低い実態が明らかになっています。
しかも、お茶の栽培地である安倍川流域と大井川流域に挟まれた一帯や天竜川の上流地域などでは、同じ県内でも特に低いということがわかっています。
 
「たかがお茶」、「されどお茶」といったところでしょうか。
お茶の効用について(基礎編)古来中国から渡来し、漢方薬として用いられた歴史を持つお茶は、口の中の衛生にも役立つことがわかっています。
実際、お茶でうがいをするようにした子どもたちにむし歯が少なくなったという報告もありますし、口内炎などにも効果があることがわかっています。

島村忠勝 昭和大学医学部教授

お茶の効用について(臨床編)

食後にお茶でうがいをすると、口の中の菌量がグンと減少します。
特に、煎茶はMRSAにも効果があります。

私たちは食事中、または食後にお茶を飲みますが、このお茶の中には、基礎編で島村先生が説明されているようにいろいろな微生物に抗菌作用を持つカテキンが含まれています。
そこで、お茶でうがいをすると口腔に住み着いているたくさんの微生物がどのように変化するのか調べてみました。
(図1) お茶はカテキンが多く含まれる煎茶を用い、お茶の濃さは3%です。

これは普通家庭で飲むお茶の濃さです。
口腔内の微生物は、日中、図に示すように飲食や歯磨きなどの外的要因により減少したり、その後増加したりしています。
 
点線は、朝食前に1回歯磨きをしただけで、その後は歯磨きもうがいもしない場合の口腔常在菌の1日の変化です。
実線は、朝食前歯磨きの変わりにお茶でうがいをし、その後は昼食後、夕食後お茶でうがいをした場合の変化です。
 
朝食後の菌量は歯磨きをしたほうが減少しているのは当然ですが、昼食後はお茶でうがいをしたほうがグンと菌量が減少しています。
 
食事のたびに飲むお茶はおいしいだけでなく、同時に口腔ケアの手伝いもしているのです。

また、老人保健施設や老人ホームのような高齢者がたくさんいる場所では、MRSAなどの病原菌が検出されることは、大きな社会問題となっています。
しかし、対処の方法が確立されると、それ程問題ではなくなります。
老人保健施設などではMRSAが検出されても、感染症状(熱や白血球の上昇)がなければ、施設で対処しています。

対処の方法は、やはりお茶などを利用しています。カテキンがMRSAにも除菌効果があるためです。
私たちも実験を行ったところ、3%以上の煎茶で効果がありました。
(写真)これは普通家庭で飲むお茶の濃さです。したがって、普通飲むお茶で十分です。このお茶を用いて吸入を行ったりしています。
また、私たちはお茶で飴やゼリーを作りました。高齢者ですから飲み込んでしまわないように飴には棒をつけて、おやつ代わりにしています。

お茶飴は、もちろんカテキンの抗菌作用を期待してのことですが、飴を舐めることで唾液分泌が促進するので、唾液の洗浄作用も期待できます。
食事時には番茶を出します。
番茶にもカテキンが含まれているので食事のたびに番茶を飲むことは有意義なことです。
しかし、煎茶のほうがカテキンが多く含まれているので、MRSAが検出された入所者や希望者には煎茶を飲んでもらっています。
Aさんは、咽頭からMRSAが検出されたので、お茶の吸入を始めました。
この方は、お茶の飲用のほかに、ご飯にお茶をかけて食べるのが好きでした。
2ヶ月後にはMRSAが消失しました。
Bさんは、入所時の検査でMRSAが検出されました。
そのため、入所時から煎茶の飲用を習慣づけたところ、はじめMRSAの検出量が多かったのが、だんだん減少してきました。
今は少量だけとなっています。
お茶の吸入や飴、お茶の飲用を始めれば、すぐにMRSAがなくなるわけではありません。
根気強く続けることによりだんだん少なくなってくるのです。
高齢者の10%くらいがMRSA保菌者と考えられ、口腔にはMRSAが常在しています。
高齢者にとって口腔の状態は、健康へも影響する大切な問題です。
身近にあるお茶が口腔を毎日清潔にします。
健康に生活するために、お茶を十分飲みましょう。

※MRSAとは:いろいろな抗生物質に耐性(効かなくなった)となった黄色ブドウ球菌です。
健康な人には問題は少ないのですが、抵抗力が弱くなった人に感染した場合は、重症の肺炎など治療困難となる場合があります。
お茶の効用について(臨床編)食後にお茶でうがいをすると、口の中の菌量がグンと減少します。
特に、煎茶はMRSAにも効果があります。

村上秀一 村上新町病院理事長

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